「上質なカオス」Snipe1 interview|UNWRAPPING PROJECT@MIDORI.so OMOTESANDO




表参道交差点から徒歩3分。

COMMUNEの裏側にミューラルが描かれていた。


巨大なキャンバスになったのは、

コワーキングスペースのMIDORI.so OMOTESANDO。


8月末にcloseする同施設に相応しい最後を。

"King of Projekt"の異名をとる飯田昭雄さんがプロデュースを手掛けた。



△制作時の様子



高さ7m×幅10mほどだろうか。

上部&両サイドを手掛けたのは広島のKAC。

中央は国内Graffiti界の先駆者snipe1が手掛けている。


MIDORI.soのinstagramで公開されている

snipe1のインタビューは、2021年の社会を鋭く捉えていた。



制作4日目を迎えた同氏のコメントを簡単にまとめてみた。


 


プロジェクト名の由来は?

「UNWRAPPING」は「放出」みたいなニュアンス。

(人々は)「UNWRAPPING」することで新しい意識が芽生えてくれるんじゃないかな?



プロジェクトに参加するまでの経緯は?

飯田くんから「いい壁あるんだけど?」て言われて、「えっ?」って。

ただそれだけ。



最初に建物を見た時の印象は?

やべぇ…ガラス書きてー、と。

本当はガラスはノリが良くないけど、あまり気にしない。

雑な感じで。削れるから、試してみたいと思った。



△コンピューターの画面(ガラス面)からは中が見える。MIDORI.soの中にいる人たちも作品の一部となる仕掛けに



△元々はマスキングで残そうとしていたガラス面。

初日にsnipe1の友人(ライター)が来てノリノリでスローを連発。

ガラス面は後から削って表現されている。



どんな作品に仕上がっている?

まずは受け手の印象に委ねたい。

KACが反骨精神・レジスタンス寄りな感じがしたから、「じゃあ俺もやろうかな」と。





△中央上部にはワクチン接種の注射器と思われる針に脳が射抜かれる描写が



マインドコントロールされている人をSHEEPLEと呼んでいる

皆が右に行ったら右にいってしまう人たち…

そうならないように注意喚起をしたい



扉に書かれた言葉(タギング)の意味は?

あれはQUOTE(言葉の引用)じゃなくて名前。

壁全体がみんなのものであるように主張してる。



完成度は何パーセントくらい?

80%くらい。

あとはKACとのやりとりで、あいつが早く終わったら俺も終わっちゃう。


Graffiti writerって結構そう。

みんなで同じ壁に書いて、みんなの雰囲気をみる。


あいつが早いと「やべぇ」って焦っちゃって。ここ抜いちゃって…みたいなことがある。

遅いヤツがいると合わせるから、「あ、ここいける」「ここもいける」と。

どんどん付け足して、(時間をかけて)コンセプチュアルになっていく。



一番見て欲しいポイントは?

全体を見て貰えれば。

KACのキレイな絵に対して俺のすごくdirtyな絵があったりとか。

両極が共存してしてる。


彼が「悪」なら俺は「愛」を表現したいとか。

自分がキャンパスを手掛ける時も常にそれを考えてる。



「上質なカオスをつくろう」と。

そうなると意味が分からなくなる。

(敢えて両極を描くことで)「何が言いたいの?」と受け手が捉え方を選ぶ。

「かわいい絵」「素敵な絵」「感動する言葉」…それを書いたら普通。


頓智を利かせた言葉を乗せることによって、

「愛」にも「有るといいね」「無いといいね」という選択が生じる。


「愛があるからこそ絶望があるんだよ」と言われちゃうと、

パラドックスが起きて「結局どっちなんだろう?」と。

有っても良いし、無くても良いし。

(そういった逆説を)受け手に対するメッセージとして常に描いてる。



SHEEPLE

考えることができなくなっている人が多い。本当に。

ただ単に流れてくる情報を受けて消化して…どこにも疑問を持たずに。


「ちがうっしょ?」って俺は思っちゃう。え?大丈夫?って。

ただ、それは仕方ないことでもあり、強制的に「よく考えろよ」とは言えない。

それはそれで彼らの幸せだから。


ただ、SHEEPLEは確実に増殖されている。

民主主義に生きている以上、数で負けちゃったら終わりだから、

マイノリティな俺たちなみたいなヤツは、

「排除しないように共生でお願いします!」としか言えない。


何が本当なのか分からない。自分で精査するしかない。




聞き手:Sayokoさん(MIDORI.so)



 

UNWRAPPING PROJECT




日時:8月23日(月)– 8月27日(金)10:00-19:00

場所:MIDORI.so Omotesando


Snipe1 @fukitalltokyo

日本人グラフィティライターの先駆者として知られるsnipe1は、1990年代初頭のNYグラフィティ界に10代で身を投じ、その後世界中を巡り帰国。2018年、自身初となるソロエキシビションを、村上隆が運営するHidari Zingaroにて開催して好評を得る。その後も、LA、NY、バンコク、香港、メルボルンなど、世界中の前衛ギャラリーにて、今なおアート界をボミング中である。


KAC ケエシ @kac_one

広島出身。ミューラルアーティスト。キャラクターを得意とし、キレのあるスプレー缶コントロールと閃めきを武器にその手から勢い良く生まれるラインは奇想天外な世界観を持ってミューラルに現われる。近年ではミューラルは勿論、様々なアーティスト、ブランドにアートワークやデザインを提供。国内外問わず多方面に表現領域を広げ続けている。


飯田昭雄 Akio Iida @akiosky

みどり荘妖精担当。あらゆるジャンルのアーティストネットワークを駆使し、様々なアートプロジェクトをプロデュース。現在はアメリカ最大の設計会社にてクリエイティブプロデューサーとして在籍。他にも株式会社CEKAI、電通Bチームのメンバーでもある。2021年夏より長野県の青木湖湖畔に移住しDUAL LIFEを実践中。


出典:MIDORI.so