【平成後期版】グラフィティをたくさんの人に見せる5つの方法

揺れる電車の中。Instagramのタイムラインをスクロールする。

ハッとして親指を止めた。

最近書かれたと思われるルーフトップ。

駅方面から目黒通りの坂を見下ろすと、

視界のど真ん中に飛び込んでくる。

グラフィティは元来見せてナンボのもの。

数百数千万の金がかかる屋外屋外広告スペースにだって

ある日突然その姿を見せる。

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電車に始まり、繁華街のシャッターや先の投稿のようなビルの屋上まで。

「より多くの人に見せる」ための手法は実に様々だ。

ことさらSNSが普及した今は更にその多様化が進んでいる。

生で見る人以上にblogやinstagramで見る人の母数は多い。

ライター達は直接その場で見せるだけでなく、

自然とブラウザ上でも人々の視線を釘付けにするような、

そんな遊び心をもって場所選びやモチーフ設定をしているのかもしれない。

今日はそういった「たくさんの人に見せる」手法を思いつくままにメモしていきたい。

グラフィティをたくさんの人に見せる5つの方法

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①トレインボム

②ギャル

③借景

④メッセージ性

⑤インタラクティブ性

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①トレインボム

二次波及を意識してかせずかは別として、

マスメディアを通じて伝わる力は凄まじい。

誰かの爪痕がTVやネットニュースで報じられれば、

コミュニティ内で一気に広がる。

「電車やってナンボ」といったカルチャーがそうさせるのか、

この日本においてもトレインボムは定期的に行われ、世の中をざわつかせる。

②ギャル

(出典:retna

イケてるお姉さんの力は偉大だ。

そしてグラフィテイとの相性も良い。

RETNAは古くから女性をモデルに立たせた画像を度々UP。

最近はもはやVOGUEさながらのクリエイティヴだ。

日本国内でもクラブでボディペイントを…といった場面はよく見かける。

誰も損をしない平和な手法だ。

写真がとてもキレイなアカウントがコチラ。

書かれた作品がまた違った印象で見えてくる。

(出典:tetts

また、「グラフィテイ × ギャル」を語る上でKRESSによるこのビジュアルは外せないだろう。

(出典: RED ONE PRESS

(出典: KRESS

③借景

bleseaoneの作風は他と一線を画すスケールとユニークさがある。

ロケーションとコンテンツの妙が光っている。

(出典: blesea_one

写真を撮ることを前提に書かれている。

コチラは関東の某廃墟。

こちらは壁に空いた穴をうまく使ったもの。

インスタジェニックなため、グラフィティにさほど興味もないであろう、

廃墟の訪問者からも多くpostされていた。

④メッセージ性

借景のカテゴリに入れるべきか迷ったが、

シンプルなブロックでありながらも、核爆弾が爆発した際の光を連想させる「白」使いが秀逸だったのでこちらに。背景の核廃棄物の山が震災の記憶を生々しく呼び覚まさせる。

(出典: jammin_kowgei

戦争に関わるものだと、古くはイラク戦争勃発の折に書かれたピースがある。

IZとNEIMによるものだ。

初めて見た時に身が震えたことを今でも鮮明に思い出す。

追悼の意を込めた作品もシェアされることが多い。

OVERDOSEとKANEによるDEV LARGEのピースは、多くの人々から支持されたはずだ。

(出典: kane_one

⑤インタラクティブ性

HIPHOPで用いられるCALL&RESPONSE。

LUSHは作品を書く前に自身のフォロワー(35万人!)に対して

「このネタ書くべきだと思う?」と投げかけている。

もはやエンターテインメントだ。

(出典: lushsux

(出典: lushsux

都度テーマを変えることにより、反応するコミュニティも変わる。

フォロワー層もどんどん裾野を広げているように見える。

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さて、色々書いたが個人的には「これは!」と思ったものについては、

足を運んで生で見ることを強くお勧めする。

そこには「空気感」があるからだ。

廃墟の湿った冷たい空気。

妙な緊張感の中で壁を眺める。

どこからか缶を振る音が聞こえてくるかもしれない。

夏の日の開けた河川敷。

汗をかき、草かき分けて歩いた末に出会うマスターピース。

そこに落ちている吸い殻は、蚊に刺されながら書き上げたライターの

清々しい一服の証かもしれない。

人で溢れかえった繁華街。

そんな時に突如遭遇するクイックピース。

ブレないラインは何回も繰り返し引かれ続けてきた書き手の経験を物語り、

「次の瞬間何があっても後悔はない」といった覚悟を感じさせるかもしれない。

人を惹きつけるグラフィティには感情がある。

技巧だけでは測れない、その場所に書かれた文脈。書き手の意志。

さて今日はどんなグラフィティに出会えるだろうか。

頭の片隅にそんな想いを抱きながらドアを開ける。

今年も春が近い。